2026.11.07
【オスグッド病の症例紹介➡https://ashiyano.com/syoujou/347/】

「運動すると膝のお皿の下が痛くなる」
「膝の下の骨が出っ張ってきた」
「オスグッドと言われたけれど、スポーツを続けても大丈夫?」
このようなお悩みはありませんか?
オスグッド病は、成長期の子どもに多くみられるスポーツ障害の一つです。特に、サッカー・バスケットボール・バレーボール・陸上競技など、走る・跳ぶ・蹴る動作を繰り返すスポーツで発症しやすい特徴があります。
痛みを我慢して運動を続けると、症状が長引いたり、スポーツへの参加が難しくなったりすることがあります。
一方で、必ずしもスポーツを完全に休まなければならないわけではありません。痛みの程度や身体の状態を確認しながら、適切に運動量を調整することが大切です。
今回は、全3回の第2回目。オスグッド病の評価方法や運動中止の有無、リハビリの考え方について解説していきます。
*第1回目はこちら➡https://ashiyano.com/4028/
4. どのような検査・評価を行うか
オスグッド病が疑われる場合、痛みの場所や程度だけでなく、身体の柔軟性や筋力、スポーツ動作などを総合的に評価することが大切です。
① 問診
まずは、症状が出始めた時期や運動状況を確認します。
・いつから痛みが出ているか
・どのような動作で痛むか
・どのくらいの頻度で運動しているか
・最近、練習量が増えていないか
・成長に伴う身長の変化があるか
これらを確認し、痛みが発生した背景を把握します。
② 膝関節周囲の状態確認
脛骨粗面の圧痛や腫れ、熱感などを確認します。
また、膝関節の曲げ伸ばしに制限がないか、痛みがどの動作で出現するかを評価します。

③ 筋肉の柔軟性評価
特に次の筋肉の柔軟性を確認します。
・大腿四頭筋
・ハムストリングス
・下腿三頭筋
・股関節周囲の筋肉
筋肉の柔軟性が低下している場合、運動時の負担に影響している可能性があります。

【FFD(背面の柔軟性評価):床に手がつくのが目安】
④ 筋力・身体機能の評価
股関節や膝関節周囲の筋力、体幹の安定性、片脚でのバランス能力などを確認します。
【バランス能力の評価:片足つま先立ちで20秒維持できることが目安】
⑤ スポーツ動作の評価
必要に応じて、次のような動作を確認します。
・スクワット
・片脚スクワット
・片脚立ち
・ジャンプ・着地動作
・走行動作
膝だけでなく、股関節や足関節を含めた身体全体の動きを確認し、負担が集中している部分を把握します。

【スクワット動作での評価:足部、足趾の浮き・下腿、膝の角度・脊柱のアライメントなど総合的に観察する】
※オスグッド病の診断は、医師による診察が基本です。典型的な症状では画像検査が不要な場合もありますが、骨折など他の疾患との鑑別が必要な場合には、医療機関でレントゲンなどの検査を行います。
5. 運動を続けてもよいのか
オスグッド病になった場合、保護者の方から特に多い質問が「スポーツを続けても大丈夫ですか?」というものです。
結論として、痛みの程度や運動後の状態によっては、運動を続けられる場合があります。
必ずしも完全に運動を休む必要はありませんが、痛みを我慢して今までどおりの練習を続けることはおすすめできません。
[運動を続けられる可能性があるケース]
・日常生活でほとんど痛みがない(脛骨粗面を押した際の痛みは残存)
・運動中の痛みが軽度である
・運動後に痛みが強くならない
・翌日まで痛みが残らない
・走る・跳ぶなどの動作に大きな支障がない
このような場合でも、運動量や練習内容を調整しながら経過を確認することが大切です。
[運動を控えた方がよいケース]
・運動中に痛みが強くなる
・走ったり跳んだりすると強く痛む
・痛みでフォームが崩れる
・運動後も痛みが続く
・翌日になっても痛みが残る
・歩行や階段でも痛みがある
このような場合は、痛みを伴う運動を一時的に控え、医療機関などで状態を確認することをおすすめします。
[スポーツ復帰は段階的に行う]
痛みが落ち着いてきたからといって、すぐに以前と同じ練習量に戻すのではなく、段階的に運動量を増やしていくことが重要です。
ウォーキングや軽い運動から始め、ジョギング、ダッシュ、ジャンプ、競技練習へと進めていきます。
痛みが再び強くなる場合は、運動量を戻して身体の状態を確認しましょう。
6. リハビリ・運動療法の考え方
オスグッド病のリハビリでは、痛みを軽減するだけでなく、膝にかかる負担を調整しながら、スポーツに必要な身体機能を改善していくことが大切です。
主なリハビリの考え方は次のとおりです。
① 筋肉の柔軟性を改善する
大腿四頭筋やハムストリングス、ふくらはぎなどの柔軟性を確認します。
特に大腿四頭筋は脛骨粗面に牽引力を加えるため、柔軟性の改善が重要になります。

【HBD(大腿四頭筋の柔軟性評価):かかとがお尻につくことが目安】
ただし、痛みが強い状態で無理にストレッチを行うと、症状が悪化する可能性があります。
痛みのない範囲で、適切な強度で行いましょう。
② 股関節・体幹の筋力を改善する
スポーツ動作では、膝だけでなく股関節や体幹の働きも重要です。
股関節周囲の筋力や体幹の安定性を高めることで、走る・跳ぶ・着地する際の身体の使い方を改善していきます。

【振り子運動:股関節外転筋・体幹筋の筋力強化】

【ヒップエクステンション:股関節伸展筋・体幹筋の筋力強化】
③ 下肢全体の筋力・バランスを改善する
大腿四頭筋だけでなく、ハムストリングス、臀部、下腿の筋肉などをバランスよく鍛えることが大切です。
また、片脚でのバランス能力を高めることで、スポーツ動作に必要な身体機能の向上を目指します。

【ランジエクササイズ:前後へ荷重を分散させたバランストレーニング】

【ハードルドリル:片足でのバランストレーニング】
④ スポーツ動作を改善する
痛みが落ち着いてきたら、競技に必要な動作を段階的に取り入れます。
・ランニング
・ジャンプ
・着地動作
・方向転換
動作の中で膝に負担が集中していないかを確認し、股関節や足関節も含めた身体の使い方を改善していきます。

【方向転換の入るジャンプトレーニング】
⑤ 運動量を調整する
リハビリと同じくらい重要なのが、日常の練習量の管理です。
痛みが強い時期には、ダッシュやジャンプなど負担の大きい運動を減らし、症状に応じて運動内容を調整します。
完全に運動を休むことだけを目標にするのではなく、身体の状態に合わせてできる運動を取り入れることが大切です。
【オスグッド病の症例紹介➡https://ashiyano.com/syoujou/347/】

