アキレス腱滑液包炎は、アキレス腱の前部にある滑液包に炎症、腫大および疼痛が生じる疾患です。アキレス腱の前方部分には「踵骨後部滑液包」という摩擦や圧迫を軽減するクッションがあります。背屈時にはアキレス腱と踵の間で挟まれて圧縮し、逆に底屈した際はゆとりができます。しかし、このクッションが繰り返される底背屈のストレスによってすれてしまうことで炎症を起こし痛みに変わります。
本症状はマラソンや剣道、柔道などといった足首を頻繁に動かすスポーツや踵に衝撃が加わり続けるスポーツをする方に多く発生すると言われており、アキレス腱の内側に痛みを感じやすいことも特徴の一つです。
初期の治療はヒールパッドを使った処置を行うケースが多いのですが、踵骨後方が棘状に出っ張っている形状の場合、
棘状の部分とアキレス腱がすれることでアキレス腱の一部分が骨化してしまうと手術に至るケースもあります。
踵の後部に痛みがある場合には、早めの受診をお勧めします。