Sinding-Larsen-Johansson病とも呼ばれており、膝蓋骨下端と呼ばれる膝のお皿の下にある成長軟骨に炎症が起こる障害です。成長期の子どもに多く発症し、膝蓋骨下極に限局した疼痛、腫脹、熱感などが現れます。特に活発にスポーツ活動を行う10代前半の男子に起こりやすいのが特徴です。原因となる主な筋肉は大腿四頭筋といわれる太もも前の筋肉で、筋肉自体が硬いことや急激な方向転換や反復的なジャンプ動作によるストレスにより成長軟骨に牽引がかかり、痛みが発生します。
成長期によく見られる膝伸展機構障害には、脛骨粗面の骨端核に起こる「Osgood-Schlatter病」があり、骨端線が閉鎖した後の成人では、ジャンプ動作などの繰り返しにより「ジャンパー膝」とよばれる「膝蓋腱炎」や、膝蓋骨内側下周囲に起こる「膝蓋下脂肪体炎」などがあるため、詳しい鑑別が必要になります。