鵞足炎(がそくえん)は、膝の内側下方にある《鵞足》と呼ばれる部分に炎症が起こる疾患です。 鵞足とは、脛骨の内側(膝から5-7cm下)に位置し、縫工筋、半腱様筋、薄筋の3つの筋肉の腱が付着する部位です。
脛骨と鵞足をつなぎ止めるところは、滑液包と呼ばれるクッション材が存在し、腱を摩擦から守っているのですが、付着部の腱に繰り返し引っ張り合う力が働くことで、腱自体が炎症を起こしたり、周辺の滑液包が炎症を起こすことで痛みが生じます。
鵞足炎は特にサッカーやランニングなどの膝関節の動きを多用するスポーツ活動や、日常生活での膝の過度な使用が主要な原因となります。また、個人の身体的特徴や筋肉の状態も発症リスクに影響を与えます。
膝の曲げ伸ばしを頻繁に行う動作や、つま先を外に向ける運動を行う方に多く見られる症状です。放置すると変形性膝関節症のリスクが高まる可能性がありますので、症状に心当たりのある方は早めの受診をお勧めします。