足首の前内側にある「舟状骨」に繰り返しストレスがかかることで生じる骨折です。発生頻度は全疲労骨折のなかで0.7〜14.4%と幅広い報告があります。
分類としてはSaxenaらが提唱した分類が用いられ、Type1が背側皮質の骨折、Type2が体部までかかる骨折、Type3が対側骨皮質まで抜ける骨折とされています。また、血流の乏しい舟状骨中央部1/3に好発するといわれており、偽関節になるリスクが高いことが特徴です。

舟状骨は、内側縦アーチによる圧迫力・後脛骨筋腱による牽引力・足尖荷重の際にかかる圧迫・踏み出し(蹴りだし)での剪断力などといった、多くの機械的ストレスがかかるため、疲労が蓄積しやすいと言われています。

本症状は短距離選手や跳躍選手に多く、ランニング中の動的アライメントやフォームなど、誤った体の使い方をしてしまっている選手に発症する傾向にあります。
診断は難しく、初期段階では症状が曖昧なため見逃されやすいです。確定診断にはMRI検査が有効とされておりますので、早期発見と適切な治療が重要です。本症状に覚えがある方は早めの受診をお勧めします。









