「四十肩・五十肩」とも呼ばれる、肩関節の構造的な損傷のない軟部組織の退行変性病変です。
その名の通り、好発年齢は50代を中心に40代~70代と幅広く、女性の罹患がやや多いことが特徴です。
主に肩関節に疼痛と可動域制限が生じる疾患で、疼痛が軽減しても拘縮が残存します。そして、拘縮も経過とともに改善していくと言われていますが、最近では自然経過のみでの拘縮改善は十分でなく、病期に合わせた適切な治療が重要であると考えられています。
- ▶痙縮期(炎症期):数日~3週間程度
炎症性の痛みが主体の時期。
痛みによる可動域制限が生じ、無理に動かそうとすると悪化します。
物理療法やリラクゼーションで疼痛のコントロールするとともに、痛みを感じにくい肢位の獲得を目指します。
- ▶拘縮期:数ヵ月~半年
炎症が治まり、疼痛は軽減するが肩関節の拘縮が進行する時期。
痛みのない範囲での可動域訓練やストレッチを行います。
- ▶回復期:半年後以降
拘縮が寛解してくる時期。
可動域制限が残らないように積極的にリハビリをしていきます。
このように病期によってリハビリの内容が変わってくるので、病期の評価が非常に重要になります。病気を見極めることでリハビリを効率的に進めることができ、早期回復が可能になります。
肩関節周囲のストレッチや肩甲骨周囲筋・上肢のリラクゼーションを行います。筋肉をほぐすことにより痛みを緩和させたり、可動域の拡大を目指します。
早期回復のため、信頼度の高い物理療法機器を取り揃えております。炎症を抑え、組織修復を促します。
病期に合わせた可動域訓練と腱板などの肩関節周囲の筋力強化を行います。それにより、肩関節の拘縮を取り除きスムーズな肩関節運動の獲得を目指します。


肩関節周囲炎は加齢による退行性病変であることには間違いありませんが、肩関節を構成する筋、腱、靭帯など器質的原因は多岐にわたります。
肩関節周囲炎の症状は、肩関節の疼痛と可動域制限が主ですが、病期によって症状が異なります。