母趾MTP関節が外反変形したものであり、外反母趾ガイドラインでは《外反母趾角20°以上》を外反母趾と定義しています。その特徴としては第一中足骨の内反、母趾MTP関節部の突出、母趾の基節骨の外転・回内変形、開帳足などが挙げられます。症状は足部の変形及び疼痛性歩行障害が多く、日常生活動作を低下させるだけでなく,QOLの低下を招くことがあります。
この外反母趾は幼児期に発症する例もあり、二次成長が起こる小中学生に増加傾向にあります。さらに筋骨格に脆弱性をきたす40歳以降に増加します。高齢ほど発症頻度は増加し、女性に多いのが特徴です。
外反母趾の内的要因として扁平足や開帳足が挙げられており、足底挿板療法にて、アーチパッドを使用して内側縦アーチを挙上することで外反母趾の疼痛軽減効果が示されているため、扁平足や開帳足が外反母趾の原因の一つとして関連性が高いことが認められています。扁平足や開帳足になると足部の剛性低下に関与し、足部の剛性が低下すると、足部のアーチ構造が破綻し、母趾MTP関節が外反します。
予防として、母趾内反可動域改善や母趾外転筋を主体とした筋力増強練習などで母趾を内反させることが重要となります。