有痛性外脛骨は、舟状骨の部位に発生する過剰骨が原因で、足の内側に痛みを引き起こす状態です。外脛骨は、解剖学的に見れば通常の変異の一つであり、英語で「accessory navicular」とも呼ばれています。この状態は、特に若年層やスポーツ愛好者に多く見られ、適切な対策をとることで改善が期待できます。外脛骨自体は約20%の人に存在し、必ずしも全員に痛みが発生するわけではありません。ただし、痛みを伴う「有痛性外脛骨」の発症は、思春期の女性や、激しいスポーツを行う人に多く見られます。特に、10歳前後の若年層が影響を受けやすい傾向があります。
外脛骨は以下の3つのタイプに分類され、それぞれ症状の出方が異なります:
- Type I: 外脛骨が後脛骨筋腱内に存在し、舟状骨とは分離しています。痛みは比較的少ないタイプです。
- Type II: 外脛骨が舟状骨と線維性に結合しており、最も痛みを引き起こしやすいタイプです。
- Type III: 外脛骨が舟状骨と一部連続し、一体化して大きな突起となっているタイプです。
この中でも、Type IIの外脛骨は、後脛骨筋腱が付着しているため、後脛骨筋に負担がかかると特に痛みが発生しやすいといわれています。
捻挫の場合、足の外側に痛みが出ることが多いのですが、有痛性外脛骨は足の内側が痛むことが特徴です。運動の休止をしても痛みが変わらない場合は早めの受診をお勧めします。