腱鞘炎は、腱を覆う《腱鞘》に炎症が生じる疾患です。腱鞘は腱を滑らかに動かす役割を果たしていますが、腱や腱鞘が肥厚し、そこに炎症が起きることで痛みや腫れが発生します。手指や手首の運動にも障害をもたらし、ばね指やドケルバン病として知られています。腱鞘炎の最も一般的な原因は、手や手指の過度の使用や反復動作です。長時間のデスクワークやテニスやゴルフなどのラケットスポーツによる機械的ストレスが、腱や腱鞘に過度の負担をかけてしまうことがよくあります。
腱鞘炎は他にもいくつかの種類があり、それぞれ原因や症状が異なります。
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びまん性浸潤性腱鞘滑膜炎
関節リウマチなどの自己免疫疾患が原因となります。 -
沈着性腱鞘滑膜炎
アミロイド、石灰、尿酸などが腱鞘に沈着して起こるものです。 -
化膿性腱鞘滑膜炎
細菌やウイルスの感染によって引き起こされる腱鞘炎です。
腱鞘炎は放っておくと症状が悪化する可能性がありますが、早期の適切な治療を行うことで改善が期待できる疾患です。症状に覚えがある方は早めの受診をお勧めいたします。