1回の大きな力による通常の骨折とは異なり、骨の同じ部位に繰り返し加わる小さな力によって骨にヒビが入り、最終的には完全な骨折に至った状態をいいます。
上肢から下肢、体幹とあらゆる部分の骨に起こり、年齢を問わず発生します。発生部位は競技種目や各スポーツ動作と関連が強く、脛骨や中足骨など下肢での発生が多いですが、MRIやCTの普及により腰椎疲労骨折(腰椎分離症)の頻度が最も高いとの報告もあります。
主な発生部位
また、女性アスリートは,「摂食障害の有無に関わらない Low energy availability(LEA)」、「月経機能障害」、「低骨密度」のリスクがあり、これらを「女性アスリートの三主徴」といいます。要因は様々ですが、LEA と呼ばれる負のエネルギーバランス(消費エネルギーに比べ摂取エネルギーが不足している状態)の積み重ねによってエネルギー不足を生じ、月経機能障害となり、さらには
エストロゲン分泌の低下も重なることで低骨密度から疲労骨折に関連してしまいます。
疲労骨折は10 代後半の女性でマラソン、体操、バレエなどトレーニング量が多く、体重を制限する必要のある競技で生じやすいといわれているため、当てはまる方は十分に注意が必要です。