何らかの原因により足のアーチ(土踏まず)が低下・消失して足底が扁平になった状態です。
本来、足には内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチの3種類のアーチ構造があり、歩行時の衝撃吸収や足の筋肉や関節を保護する役割を果たしています。この足アーチを形成・維持する骨や靭帯、筋のいずれかが障害されることによって扁平足が生じ、原因やその発生時期によりその病態が異なります。
扁平足は大部分が〈静力学的扁平足〉で、荷重により足が外反してくるため、外反扁平足とも呼ばれます。
原因による分類
・先天性扁平足:先天異常により生じる
・麻痺性扁平足:脳性麻痺などの疾患による筋麻痺や筋力低下で生じる
・外傷性扁平足:骨折や脱臼、靭帯損傷により生じる
・静力学的扁平足:荷重(立位)により生じる
・その他の原因:後脛骨筋腱機能不全症、骨系統疾患、関節リウマチなど
発生時期による分類
・小児期扁平足
足の筋や靭帯が十分に強くないため、立位荷重時に扁平足がみられます。非荷重時には土踏まずがみられ、多くは成長に伴って自然に足のアーチが形成されます。
・思春期扁平足
小児期扁平足が思春期まで残存したもので、スポーツ活動に関連して運動時痛や易疲労感が生じます。
・成人扁平足
加齢による腱の変性や体重増加などを背景に生じ、中年女性に好発するといわれています。原因としては後脛骨筋腱機能不全症(PTTD)が最も多いです。