骨端症のなかでも稀とされる上腕骨小頭の骨端症です。上腕骨小頭と呼ばれる肘関節を構成する重要な部分で血流が阻害されることによって生じる疾患です。主に5〜10歳の男児に発症し、利き腕に多いと言われており、軽度の肘関節痛と可動域制限がみられます。
上腕骨小頭では、小児期の骨端核への血管供給が初めから乏しく、主に後方からの2本の栄養血管のみで栄養を供給しています。この栄養血管になんらかの理由で障害が発生し、血流が途絶えることで上腕骨小頭の壊死が起こると推測されています。
パンナー病は、基本的に後遺症を残すことなく治癒することが期待できます。子どもの上腕骨小頭の障害である「上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)」とは、似たような症状を示すものの、まったく異なる疾患なので鑑別が必要です。
パンナー病と離断性骨軟骨炎の違い
1.発症年齢
・パンナー病:5〜10歳
・離断性骨軟骨炎:12〜15歳
2.病変部位
・パンナー病:上腕骨小頭骨端核全体に及ぶ
・離断性骨軟骨炎:上腕骨小頭の一部に限局
3.可動域制限
・パンナー病:屈曲・伸展制限
・離断性骨軟骨炎:伸展制限