アキレス腱の断裂は、ほとんどが運動選手や、座っている時間の多い中年男性に発生し、特に運動習慣がない状態で、急に強度の高い活動やスポーツを開始した人によく起こります。腱が切れる瞬間に、「バン!」「ブチッ!」という音やバッドで後ろから叩かれるような衝撃を感じることがあります。痛みが強いと歩行が困難になりますが、痛みが弱いケースではなんとか歩行できる場合があります。ただし、つま先立ちが出来ず、足を引きずるような歩き方になります。
アキレス腱の完全な断裂が起こりやすいのは、運動選手よりも中年男性です。このケガは、激しい活動を行う前に十分なウォーミングアップやストレッチを行わないで走ったり、ジャンプが繰り返されるスポーツや、すばやく方向転換する必要のあるスポーツで多く発生します。
フルオロキノロン系抗菌薬(シプロフロキサシンなど)やコルチコステロイドを使用している人では、まれに明らかな原因がなくてもアキレス腱が断裂することがあるので注意が必要です。
治療には保存療法と手術療法がありますが、手術療法は治療中に再断裂を起こすリスクが低く、早期からリハビリテーションが可能なことから、早期復帰を希望する場合は手術療法が選択されることが多いです。本症状が思い当たる方は早めの受診をお勧めします。