骨や関節周囲の軟部組織に外傷などの刺激が加わって起こる異常骨化現象です。主に外傷や打撲が原因で、大腿部前面(特に中間広筋や外側広筋)や腕の筋肉などに起こりやすいと言われています。
強い打撃を受けた後に炎症が発生し、筋繊維の中にカルシウムが沈着することで石灰化現象が起こります。安静が保てずに繰り返し筋肉に負荷がかかることで筋組織の中に骨が形成されてしまうことが本症状の特徴です。主な症状は、疼痛と可動域制限で、症例によっては骨切除術を行うこともあります。
骨化性筋炎の治療は、薬物療法及び局所の熱感と炎症時期が治まる頃より理学療法を開始することが一般的であり、疼痛を伴う可動域訓練は、症状を悪化させる危険があります。通常は時間とともに自然に回復することが多いですが、完治には数ヶ月を要することがあるため、適切な応急処置と治療がとても重要です。症状に心当たりのある方は早めの受診をお勧めします。