足の指の付け根にある中足骨の骨頭の血流が悪くなり、組織が壊死してしまう疾患です。骨端症の一つで主に10代から思春期の女性に多く見られ、第2中足骨に最も頻繁に発症します。初期症状では、運動や歩行、踏み返し動作を繰り返すストレスで負荷が生じた際に中足趾節関節(MTP関節)に痛みや腫れを感じるようになります。足底に胼胝(タコ)ができることもあり、症状が進行すると関節軟骨がすり減って起こる関節症やそれに続く骨壊死に移行してしまうことがあります。
フライバーグ病は若年者に多い疾患であるため、思春期の患者に対する過度の治療は活動の制限を与えるばかりではなく、精神的苦痛を与えることにもなってしまいます。
しかし、治療方針を誤るとMP 関節の背屈制限や歩行時痛といった機能障害が残存してしまいます。したがって,治療方針を決定する際には,本疾患の病態をよく理解した上での病状把握が重要となります。診断には X 線検査に加えMRI検査を併用することで、より明確に フライバーグ病の修復過程を確認することができます。
また、症状が初期であり中足骨頭の圧壊がまだ生じていない状態であれば、足前方アーチ部より近位に荷重がかかるように設置させるアーチサポート装具やテーピングでの免荷を目的とした保存治療によって症状の軽快がみられると考えられますので、症状に覚えがある方は早めの受診をお勧めします。